秋葉原にいそうな美少女メイドさんたちが、小説『日本酒ソムリエ』に登場する銘酒とそのへんで買える市販のお酒を飲み比べてみた 中編
こんにちは、みなさん! 聖武です。
前回より始まった、日本酒テイスティング企画。
前編のあらすじを、3行で紹介しましょう。
日本酒は、銘酒より市販の方がおいしいはずや!
よっしゃ、お店借りて検証したろ!
美女や! 美女やで! 美女やがな! (興奮)
※このコラムでは、作品に登場するお酒を「銘酒」、そのへんで買える市販のお酒を「市販のお酒」と呼んでいます。
要するに、美女と一緒に日本酒の飲み比べをして、
どちらが美味しいか判定しようという企画です。
前回の詳細は、こちらからご確認ください。
というわけで、今回から本格的なテイスティングの模様をお届けします。
テイスティングには、スナック&バーのラビリンスで働く、
ななさん、ぽんさん、くのぎさんの3名が参加。
解説には、
『日本酒ソムリエ ~皆を笑顔にする至高のお酒~』
(著:潮風波音/KADOKAWA)
の著者である潮風波音さんをお招きし、検証スタートです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
スラ太郎 =ス
ななさん =な
ぽんさん =ぽ
くのぎさん=く
潮風さん =潮
「獺祭磨き二割三分」から飲んでいこう

ス 「それでは、テイスティングをはじめます。
『カワセミの旅』、『獺祭』、『加賀鳶』、『備前雄町』と
左から順に飲み比べを……」
潮 「ちょっとまった! 美味しく飲んでもらうためにも、
『獺祭』、『加賀鳶』、『備前雄町』、『カワセミの旅』、
の順番でお願いしますよ!
聖……じゃなかった。スラ太郎さん」
作者の潮風さんから飲み方の指示だ。
フフフ。順番を指定するということは、自信がないのだろう。
圧倒的に勝つことが見えているので、潮風さんの言う通りに提供することにしよう。
ということで、
「獺祭磨き二割三分」、「加賀鳶 純米大吟醸 藍」、
「愛友純米大吟醸 備前雄町」、「カワセミの旅」の順で行おうではないか。
獺祭磨き二割三分

まずは、「獺祭磨き二割三分」から。
男たるもの、お酒をかっこよく注がなければならない。
お酒をかっこよく注ぐことで、その男の価値がわかるのだ。
俺は、得意げにグラスを持ち、注ぎ始めた。

く 「あれ? 注ぎ方がおかしい」
ぽ 「スラ太郎さん、初めて注がれるんですか?」
な 「置き方が、ゴンって~(笑)」
迂闊だった。ここにいる美少女達は、ただの美少女じゃない。
ラビリンスで活躍している美少女ということを忘れていた。
落ち着け俺。
やっとのことで注ぐことが出来た。
飲んでもらう前に、「獺祭磨き二割三分」について、潮風さんに解説をしてもらった。
潮 「このお酒は、獺祭の中でも特にお米を磨きあげたもので、
米の粒の外側の77%を捨ててしまい、
中心部のわずか23%で作ったお酒ですよ。フルーティーな香りが特徴です」
解説からも、贅沢なお酒ということが伺える。
ということで、

テイスティング開始!

く 「おいしい!」

な 「うわ〜。ほんとフルーティーだ。ゴクゴク飲めちゃう」

ぽ 「飲みやすいから、ついついペース配分忘れて飲んじゃうね」
3人とも、獺祭磨き二割三分に満足しているようだ。
加賀鳶 純米大吟醸 藍
潮 「加賀鳶は、この中にあるお酒の中で、比較的価格が安いお酒です。
しかし、安いだけではなく味はキリッとしています。
購入しやすいお酒なので、是非オススメです」

銘酒と呼ばれる日本酒は、価格が高いものも多い。
だからこそ、市販の日本酒を俺は推しているのだ。
しかし、この加賀鳶は市販のお酒と同じように、価格が安いという。
これでは、市販お酒のメリットが無くなるのではないか? とても心配だ。
それにしても、3人ともいい表情で飲んでいる。
テイスティングをしている最中に、
「私を酔わせてどうするの?」って言われるんじゃないか心配だ。

愛友純米大吟醸 備前雄町
潮 「このお酒は、SAKE COMPETITION 2016 純米大吟醸部門で、
1位になったお酒です。
備前雄町という珍しいお米を使用しています。
このお酒は滅多に手に入りません。
しかも、女性の蔵元さんが作っているお酒なので、女性にも大人気ですよ」

1位を獲得したお酒。これは、強力なお酒だ。
絶対美味しいに決まっている。

な 「私、これが一番好きかもしれない」
備前雄町に限って言えば、ななさんの笑顔が、際立っていた気がする。
カワセミの旅

潮 「このお酒は、日本酒観が変わるお酒ですよ。
実はこれ、はじめはフランスで発売された日本酒なんです。
フランスの有名なチョコレート職人が、
チョコレートに合うお酒ということで提供しました。
食前酒、食中酒、食後酒、どのタイミングでもおいしく飲めるお酒です」
日本酒観が変わるお酒ということで、3人の表情もこの通り。



美味しいお酒を飲んで、ご機嫌な3人。
とても飲みやすく、日本酒とは思えないほどゴクゴク飲んでしまう。
ぽ 「おかわりもらって良いですか?」
潮 「実は、このお酒の飲み方は、これだけじゃないんですよ。
チョコレートを食べてから飲むと、さらに美味しくなるんです」
潮風さんの秘策が炸裂した。
チョコレートを口に含んで味わい、食べ終わってから、
もう一口カワセミの旅を味わうというもの。
世界一のチョコレート職人が推薦する日本酒だけのことはある。
この日本酒は、酸度がお酢に近いらしく、
舌の中の味を感じる部分をきれいにしてくれるのだという。
ステーキやハンバーグにも合う日本酒なのだ。

く 「もう少し飲みたいな〜」
な 「どれも美味しいお酒ばかり」
ぽ 「無限にイケる」
最初は、潮風さんがなぜ日本酒を飲む順番を指定しているかわからなかった。
しかし、今ならわかる。
これは、日本酒を最高に美味しく飲む順番なのだ。
作者の潮風波音さん、さすが日本酒への造詣が深い。
圧倒的に敗北しそうだ。
しかし、圧倒的な敗北にはなれている。
なんてったって俺は、スライムだ。
やってやるぞ! 絶対に市販の日本酒の方が美味しいに決まっている!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今回のコラムはここまで。
次回は、いよいよ対決の結果が発表されます。
圧倒的敗北のスラ・太郎に打開策はあるのでしょうか?
お楽しみはここからだ!
<取材に協力していただいた皆様>

ラビリンス
Twitterアカウント:@labyrinth_snack
歌舞伎町にあるコンセプトスナックです。探偵のような制服でお出迎えします。
住所 東京都新宿区歌舞伎町1-2-13. 新光ビル6F
営業時間 19時~24時
ライタープロフィール
聖武(ひじり・たけし)
競馬と野球と美女が大好きで仕方がない、陽気なおじさん。
独身。元電気機器メーカー勤務。現在は自称“さすらいのエンタメおじさんライター”として活動している。熱狂的な声優ファンで、応援している声優さんのライブがある時は、いかなる手を使ってでも参加する。
twiterアカウント @hijiri_1224