取材・文/聖武(ライター)
取材協力/株式会社CAMPFIRE 清水鉄平氏

前回までのあらすじ

スギ花粉よ、鎮まれ!! どうも、花粉症おじさんこと聖武です。
前回、私がクラウドファンディングのアイデアを妄想した記事を、
お読みいただけましたか?

読んでないよ! って方は、ぜひこちらからお読みいただけると幸いです。

しかし、時間がない人もいると思うので、前回までの聖武を4行で紹介しましょう!

クラウドファンディング!?
不特定多数の人から、お金を集めるだと? 分からへん妄想や!
何やスライムで妄想したら、わりとええ感じになったやないかい。
よっしゃCAMPFIRE行ったろ。


です。
ということで、今回は前回のお話の続きになります。

聖ではない。
スライム業界を代表する“スラ太郎”としてプレゼンするのだ

スライムのクラウドファンディング案を実際にジャッジしてもらうため、
CAMPFIREさんのオフィスにお邪魔してきました。

というわけで、今回のクラウドファンディングを評価してくれるのが、この方です。


CAMPFIREの清水鉄平さんです。片手ろくろも決まったところで、
本題に入りましょう。

と言いたいところですが、ここで、私の秘策が炸裂します。


聖「スライム感を出すために、ちょっと良いですか?」

ガサゴソ…… ガサゴソ……何やら青い物体が登場しました。これは一体!?


じゃじゃーん!! 聖武は、“ライター”から、“スラ太郎”にジョブチェンジをした。
青い服をたまたま着ていたので、聖はどこからどう見ても、スライムです。

(※編集部注 “スラ太郎”氏の個人情報保護のため一部画像にモザイク処理をさせていただいております)


清水さんも、やや硬い笑顔ですが、受け入れてくれました。
うまくプレゼン出来そうです。

ということで、プレゼンスタートです。

ス「私は、スライム業界を代表してどうしても実現させたい夢がありまして~~」


10分に及ぶプレゼンを展開!
清水さん、何かをこらえながら真剣に話を聞いてくれています。


私も、プロジェクトを成立させてもらうべく、ろくろを回して熱意を伝えます。

!!!!プレゼン終了!!!!

勇者を一撃で倒すプロジェクトを厳しく評価します

ここからは、清水さんの質問タイムです。


清「いやぁ、、どこから伝えれば……(笑)」


おっと、これはツッコミどころ満載とのことで、ピンチです。
やはりスライムということがそもそも無理だったのでしょうか。


清「いくつか質問しますね。まず、スラ太郎さんのスライム業界での立場は?」

ス「僕としては不本意ですが、理事長やってます。」

清「嫌々やっているんですか?」

ス「組合に入った途端、年配のスライムに“こういうのはお前みたいな
  一番若いやつがやると色々盛り上がるから、頼んだぞ!”ってゴリ押しされて」


清「変なこと聞きますが、SNSはスライム業界にありますか?」

ス「もちろんありますよ。
  “インスラグラム”“スラッター”“スライスブック”ですよね!」

清「一体どういったものですか?」

ス「“インスラグラム”は、
  自分が覚えた技を他のスライムに画像や映像でシェアするもので、
  派手な技を投稿すると、フォロワーから高評価もらえます」

清「なるほど。画面映えするものが良いってことでしょうかね」

ス「そうですね。若いスライムに人気ですね。
  ただ僕は、“インスラグラム”もやってますけど、
  基本的には“スラッター”派なので」

清「“スラッター”は、多分ですが、独り言を言うツールですかね?」

ス「そうですね。“スラッター”は、『勇者に倒されたっス』
  『勇者の前にスライム何人かと一緒に登場したけど、
  何故か俺だけグループをハブられてスライムBとして登場した件について』
  といった感じで自由に情報を発信するツールですね。
  余談になりますが、最近ではスラスラ動画も人気ありますね」


……と話しが、かなり脱線してしまいましたが、どのツールも、
この世界で当たり前になっているSNSと同じものだと思っておきましょう。


清「このプロジェクトの修行では、パーティーは組みますか?」

ス「1人ですね。」


などなど、様々な質問が投げられました。そして……


清水「では、今回のプロジェクトを受けたコメントをしますね。
   このプロジェクトは、勇者を一撃で倒す、
   というスライム業界の悲願を達成するもので良いと思います。
   クラウドファンディングでは、共感を得ることがとても大切です。
   スラ太郎さんのお父様やお母様、友達も賛同しているものだと思います」

ス「ありがとうございます!」


清水「ですが、スライム業界の理事長を、
   仕方なくやっているというところが気になります。
   クラウドファンディングは、支援者の共感を得ることが大事ですが、
   発起人の積極性も大切です。
   申請する人も、このプロジェクトを絶対に成功させたいという気持ちがないと、
   共感を得ることがなかなか難しいと思います。」


クラウドファンディングで最も大切なのは、共感性。
そして、プロジェクトオーナーの熱い気持ちも重要とのことです。


清水「あまりよくない例をあげますが、
   一人よがりのプロジェクトはまず成功しません。
   これは断言出来ます!(キリッ)」


     クラウドファンディングの極意1

        共感を得るべし!!

リターン案は、ネタ案を入れる方が良い

清「リターン案ですが、
  このプロジェクトのスタートからゴールまでが分かるものが設定されていて、
  良いと思います」

ス「ありがとうございます!」

清「その中でも、このセーブボタンリターンはGOODです!」

ス「え!? そうなんですか? ネタなのでてっきり怒られるかと」


清「ネタ案はとても重要です。
  クラウドファンディングでは、話題性がなければ注目されません。
  以前、弊社が扱ったプロジェクトの中で、
  “ロケットを飛ばすプロジェクト”がありました。
  そこで、発射ボタンを押す権利1000万円というリターンを設定したら、
  1人支援が入りました」

ス「ええ!!?ネタに支援が入るなんてすごい!」

清「ネタリターン案を作ることで、話題にもなり、
  支援者の中には注目してくれる人もいます。
  もちろんリターン案で大切なのは、ネタに走るということではなく、
  発案者と支援者がWin-Winの関係になることです。
  お互いが得をしなければ、良いプロジェクトと言えません」


     クラウドファンディングの極意2

      リターン案はWin-Winに。
   ネタ案を入れると話題になる可能性がある。

3分の2は、既存ファンの支援で成り立っている

清「ただ、このリターン案で気になるのが、スラ太郎さんの人気ですね。
  あなたはスライム業界で 人気者なんでしょうか?」

ス「いや~……(苦笑)」


この時の表情をあえて伝えるのであれば、
久しぶりに会う親戚のおじさんに、彼女出来た!?
と聞かれて“そのうちね~”と答える時の表情に近い。
それくらい痛いところを突かれてしまったのです。


清「このリターン案は、スラ太郎さんが人気者ということを大前提としています。
  そうでないと、リターン案でWin-Winにはなりません」

ス「なるほど」

清「また、スラ太郎さんスライスブックやった方が良いですよ」

ス「え? スライスブックですか!?」

清「全てに当てはまるわけではありませんが、支援金の3分の2は、
  すでにその人のことを知っている人/プロジェクトに賛同をしている人、
  が支援してくれます。新規は、全体の3分の1なんです」

ス「え!? 新規が少ない!」


清「そのため、事前の周知活動や、
  プロジェクトに必要な金額の3分の2を集められるのかの予測が必要です。
  そこで効果的なのが、スライスブックなんです。
  スライスブックでは、社会地位の高い人が良いプロジェクトに賛同すると、
  支援してもらえる可能性があります。
  スラ太郎さんは、スライスブックをやっていないとのことなので、
  苦戦するかと思います。
  もちろん、あらゆるSNSを駆使するのは良いと思います」

ス「スライスブック、早急に立ち上げます!」

清「ただ、第三者のコメントをもらっているのは、とても良いと思います。
  当事者だけでなく、第三者の声があればより説得力があるので。
  魔王さんのコメントを載せたのは良いですよ!」

ス「魔王さん、説得するのがすごい大変だったんですよ〜」

  
     クラウドファンディングの極意3 

  支援金の3分の2は、既存ファンからが占め、
 新規は、3分の1にしか過ぎないという傾向である。

妄想クラウドファンディング、その評価は?

ス「色々アドバイスをもらったんですけど、
  ぶっちゃけこのプロジェクトどうっすか?」

清「そうですね~」


清水「正直、今の段階ではOKとは言えません。大きな欠点を抱えています」

ス「大きな欠点!?」

清「金額の妥当性と、
  それからこのプロジェクトはAll-or-Nothing方式でないと成り立たないのです。」

ス「オール オア サムシングエルス?」


――説明しよう!
クラウドファンディングには、
目標金額に達成しなくても、発案者にお金が入ってくるAll-In 方式と、
目標金額に達しなければ、1円も入ってこないAll-or-Nothingという方式がある。
ちなみに、All-or-Nothingの方式で、目標未達成の場合は、
支援者に全て返金されるでご安心を!


清「スラ太郎さんのプロジェクトでは、
  1000万円でないと達成に必要なステータスに到達出来ないかと思います。
  もし、All-Inにすると、一人の支援者が50万円支援したら、
  その予算で勇者を倒さなければいけません。
  これは、到底無理な話なのではないでしょうか?」

ス「ぐぬぬ……確かに言われてみれば」

清「また、金額がちょっと無理な値になっていますね。
  もう少し敷居を低くした方が良いです。プロジェクトの達成度も重要です!
  1000万円の場合、600万集まっても達成率は60%でしかも未達成。
  しかし、目標金額が300万円で、集まったのが600万円の場合、
  目標金額を達成しかつその倍以上集められたということになります。
  達成度は、200%でプロジェクトの達成率としては素晴らしいものです」

ス「確かに! しかし、それだとプロジェクトが……」


清「その気持ちはわかりますが、
  勇者を倒す方法は一つということではないですよね?
  パーティーを組んで勇者に挑んだり、10ターンはかかるけど、
  確実に倒すという方法はあると思います」

ス「確かに!」

清「プロジェクト全体を考えても、
  確実に達成出来る金額を設定した方が成功する傾向にあります。
  低く価格を設定することで、より具体性が増す計画が必要で、
  成立しやすいんですよ。
  1000万円集めても、本当にプロジェクト達成出来るの?
  と疑問を思われたらいけません」

     クラウドファンディングの極意4

     目標金額は、現実性のあるものを。
     確実に達成出来るものが好ましい。

プレゼンを終えて

ス「いや~。こう考えるとこのプロジェクト穴だらけですね。
  貴重なアドバイスありがとうございます」

清「夢のあるプロジェクトなので、是非またご相談してください」

ス「最後に、クラウドファンディングで、
  私のような素人にこれだけは知っておいてもらいたいってことありますか?」

清「そうですね。クラウドファンディングは、

  勝手に支援(お金)が集まってくるサービスではなく、
  支援(お金)を集めるサービスです。

 
  プロジェクトオーナー自身が積極的にSNSなどを使って告知を行い、
  支援者が喜ぶようなリターンを考えて設定するなど、
  自ら支援を集めるために行動することが大切です!
  CAMPFIREは個人の方の夢を叶えるお手伝いをしておりますので、
  少額のクラウドファンディングでも大歓迎です!」

ス「なるほど! とっても参考になりました。ありがとうございました。
  スライム業界でも紹介しておきます」


今回の取材は、とても有意義なものだった。

スライムが勇者を倒すという妄想のおかげで、
クラウドファンディングについて、色んなことを理解することが出来ました。

僕は、絶対勇者を一撃で倒せるよう、
クラウドファンディング企画をブラッシュアップするぞ!

まとめ

ということで、今回の取材で収穫として得た知識は次のとおりです。

1、CAMPFIREは、どんなプロジェクトでも真剣に検討してくれる。
2、プロジェクトを熟考しないと、支援金は集まらない。
3、プロジェクトの中には、ネタ案を入れる。
4、実現性を優先して、目標を設定する。
5、スラ太郎は、スライム業界の理事をやっていた。

そして現在、
「L-エンタメ小説」シリーズ第一弾作品として、クラウドファンディング企画
“新作小説『戦国商人立志伝』(KADOKAWA)を作者と一緒に盛り上げよう!!”
が開催されています。

このページを読んでクラウドファンディングについての理解が出来た方は、
ぜひ、要チェックです!

また、スラ太郎は、コンビニが大好きで、
知り合いのスライムには、コンビニ経営をしているスライムもいます。

同じく「L-エンタメ小説」シリーズ第一弾作品の
『もし異世界ファンタジーでコンビニチェーンを経営したら』
コンビニとファンタジーを融合したもので、こちらもぜひおすすめです。



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