取材・文/聖武(ライター)
対談者:
株式会社CAMPFIRE 清水鉄平氏
株式会社KADOKAWA/プライム書籍編集部 堤由惟氏

プライム書籍編集部がクラウドファンディングを活用する狙いは?

3月31日発売の「L-エンタメ小説」シリーズ第一弾作品にて、
クラウドファンディング企画が開始されたのをご存知でしょうか?

現在、プライム書籍編集部が主催する形にて、
“新作小説『戦国商人立志伝』(KADOKAWA)を作者と一緒に盛り上げよう!!”
という企画名のクラウドファンディングが立ち上がっています。

クラウドファンディングとは、
何かしらの目的を持ったプロジェクトに対して支援者を募るというものです。

クラウドファンディングを行う上で、
プライム書籍編集部が意図する狙いとは、一体なんでしょうか?

クラウドファンディングのプロフェッショナルであるCAMPFIREさんが考える、
これからのクラウドファンディングとは!?

ということについて、対談形式にてお二人の考えをを聞いてきました。


(左:清水氏、右:堤氏)

クラウドファンディングが盛り上がったきっかけは?

清「もともと、海外で流行していたサービスですが、
  国内で注目されはじめたのは、2011年東日本大震災ですね。
  この時、被災地に支援をするプロジェクトとして注目を集めました。
  それ以降エンタメ界においても一定の注目を集めてはいましたが、
  特に注目されたのが2016年に、
  クラウドファンディング企画を実施した映画『この世界の片隅に』が公開され、
  人気コンテンツとして成長した時ですかね。
  このあたりから、クラウドファンディングの可能性が見出されて来たと思います」

堤「ちなみにですが、エンタメ関連のクラウドファンディングは、
  どういったものが多いですか?」

清「アニメ関連のものや、
  出版社さんの小説/漫画作品のクラウドファンディングが多いのです。
  どちらかというと商業ものが多いですね」

堤「そうなんですね。
  てっきり同人系のクラウドファンディングが多い感じかと思いました」

清「現状はまだ大きく盛り上がりは見せていませんが、今後はアニメ関連での、
  商業もの以外のクラウドファンディングが多くなって行くのかな?
  と個人的には思います。
  商業主体のアニメだと、製作委員会などがあって、流通、販売店など、
  ユーザーと制作者の間でいくつかのプレイヤーを通る必要がありますが、
  クラウドファンディングを利用すれば、ユーザーにダイレクトに届くので、
  ユーザーの思いを反映した作品を作りやすいと思います。
  ファンにとっては、夢がある企画だと僕は思うので」

堤「確かに、ファン目線で考えると、
  好きなものに直接自分も関わっているのは、夢がありますよね」

クラウドファンディングと相性の良いものは?


清「クラウドファンディングに相性の良い悪いは無いと思います。
  極論、どのコンテンツもやり方次第でマッチすると思っています。
  ただ、誤解をしている人がいるのも事実で、クラウドファンディングは、
  お金や支援が自動的に集まるものと思われているようです。
  実際そうではなく、
  お金や支援を集める一つの手段
  と言った方が適していると思います」

堤「どうすれば、支援は集まるんですか?」

清「色々重要な要素はありますが、
  SNSなどでプロモーションすることは非常に大切ですね」

堤「極論、著名人などでフォロワーが多ければ有利ってことですかね?」


清「そうですね。集められる可能性は高いと思います。
  ただ、そのプロジェクトが、
  ファンの方から共感を得られるような目的のプロジェクトでないと、
  成功は難しくなると思います。
  また、プロジェクトを成功させるために、
  支援金の目標額を集めることは大切ですが、
  クラウドファンディングにはそれ以上の意味もあります。
  それは、マーケティング調査をすることができる、ということですね。
  自分たちの考えている企画が、市場でどのような評価を受けるのか、
  客観的に見ることができるのもクラウドファンディングのメリットです。
  いかにプロジェクトの狙いやプロセスを魅力的に伝えるか、
  ということが支援を集めるポイントになると思います」


堤「中身についての審査はするんですか?
  例えば、企画が面白くなかったら、実施しないみたいな内容の審査ですね」

清「基本的に、どんな企画でもウェルカムです。
  その目的が一人よがりのものだとお断りすることもありますが、
  面白くないから企画を実現しないということはありません。
  このプロジェクトが人の為になるものと分かれば、
  少額なプロジェクトでも考慮します」

堤「そうなんですね。ある程度売上を計算して出版する本とは異なりますね」

清「CAMPFIREは、今までの資金集めでは不可能だったプロジェクトを、
  インターネットのつながりを活用して実現させるプロジェクトなので、
  今までの資金調達ではおそらく実現しなかっただろう、
  という企画を持ち込んでほしいですね

「L-エンタメ小説」のクラウドファンディングは、正直どのような印象ですか?

堤「お世辞抜きで、
  我々のクラウドファンディングについて意見をもらえればと思います」

清「小説のクラウドファンディングは、
  今までもよく話が来ましたが、小説を出版するだけでなく、
  編集者、作者、読者を結びつける戦略をプロジェクトに組み込んでいることは、
  非常に面白い試みだな~と感じました。
  ようやくクラウドファンディングでもこういうプロジェクトが来たか!
  と感じました」


堤「お褒めの言葉、ありがとうございます(笑)。
  僕たち出版業界は、今元気が無いと思われてます。
  でも、本を出版する人たちはそれでもまだ俺たちには出来ることがある、という
  熱いマグマのような思い
  があると思うんですよ。
  でも、従来の出版方法だと限界があると思って考えたのが、
  クラウドファンディングです。
  僕は、このクラウドファンディングは、出版の新しい形であり、
  出版業界を元気にさせるのでは? と考えています。
  今回募集しているプロジェクトのリターンの一つとして用意しているのは、
  転生を体験するゲームで、作品を読むだけでなく、その延長線上で、
  読者と作者・編集者が交わり盛り上げて行くコンテンツになればと思います。
  清水さんは、転生したいと思うことありませんか?」

清「たまに、思いますよね。転生して、勇者になったらな~、とか」

堤「君に、この世界を救ってほしいんだ。って言われてみたいですよね(笑)」

最後に、今後のクラウドファンディングについて何かあれば

堤「現在、リアル転生ゲームをリターンの一つとした、
  『戦国商人立志伝』のクラウドファンディングのみですが、
  今後もこれだけではなく、
  作品ごとに新たなプロジェクトを提案していこうと思います。
  確かに数字面で出版業界に元気がないのは事実ですが、
  物語を求める人間の本能がある限り本がなくなることはないと思います。
  しかし、現在の本は、画一化した価値提供しかできてないので、
  クラウドファンディングを通して、
  出版業界を元気にできればと思っています。そのために、
  読者のニーズを組み込んだプロジェクトを考えていこうと考えています。
  ただ、今回のプロジェクトは少人数のものなので、締め切ることがあります。
  まだの方は、どうぞお早めにお願いします!」


清「クラウドファンディングが、まだまだ世間に知れ渡っていないので、
  どんどん裾野が広がればよいと思います。
  少額のクラウドファンディング・プロジェクトが増えていけば、
  より盛り上がるのではないかと思います。
  特に、エンタメ業界ではもっと一般的になれば良いですよね。
  ファンが、製作物に携われるなんて、夢だと思うんですよ。
  そんな夢を実現出来るのがクラウドファンディングなので」


まとめ

1時間にも及ぶ対談を、ダイジェストでお伝えしました。

クラウドファンディングについて理解が深まり、
プライム書籍編集部が今後どのような仕掛けをしようと考えているのか、
とても参考になりました。

現在、編集部の公式サイトにて、クラウドファンディング企画
“ 新作小説『戦国商人立志伝』(KADOKAWA)を作者と一緒に盛り上げよう!!”
が募集中なので、ぜひ一度アクセスしてみてください。


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