こんにちは、大学院では国際法を勉強したエデンです。

騎士モノ小説が好きで、
現代版騎士道とも言うべき戦時国際法はかじりついて読みました。
そもそも、国際法という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、
簡単に言うと国と国の間で定められている条約などの事です。

よくニュースなどで耳にする国連憲章などもこの国際法のひとつです。

逆に日本国憲法のような国家内法律を一般的に国内法と呼びます。

今回はこの国際法をキーワードにして“もしも”の世界を創造してみました。

「国際法」と聞いて難しいなと思ったあなた!
そんな事はありません、実はファンタジー小説とは密接な関係にあるワードなのです。

もしも「国際法」が異世界(ファンタジー世界)にあったら?

相続とか結婚などの規定を取り決めている“民法”や、
痴漢とか窃盗などの刑罰を科せられる犯罪を規定している“刑法”はともかく、
“国際法”は皆さんにとって縁遠い法律ではないでしょうか。

せいぜい海外旅行に行くときに気にするくらいで、
戦争に関する国際法など、存在すら知らない人も多いと思います。

一方で、ファンタジー小説に必ずと言っていいほど登場する「軍隊」。

もしも、現実とよく似た国際法が異世界に存在し、軍隊がそれを厳守していたら、
どうなるのでしょうか?

ラノベやアニメには十代の少年少女が軍隊で活躍する作品も多いですが、
国際法が存在する異世界では一味違う展開が待っていそうです。

せっかく異世界で最強キャラに生まれ変わったのに・・・・・・

トラックにひかれたら異世界の人間に生まれ変わっていたり、
ふとしたきっかけで異世界に転移してしまったり。

ある日突然異世界に行けたら・・・・・・、そんなお話に憧れたことありませんか。

ここにも一人、そんな感じで、前に勤めていた会社がつぶれて就職活動中、
気がついたら14歳の少年の姿で異世界にいた人がいました。

そこに唐突に襲ってくるドラゴン。

「うわっ、超強そうじゃん! いきなりデッドエンドかよ!」

しかし、彼が慌てて装備していた剣をつかむと、その後は勝手に身体が動き、
難なくドラゴンを一刀両断します。

「これは、救国の英雄になれってフラグだな!」

そう確信した彼は、喜び勇んでその世界にある王国軍の入隊試験を受けに行きました。

しかし・・・・・・返ってきたのは。

「誠に残念ですが、今回は採用を見送らせて頂くことになりました。
ご希望に添えず恐縮ですが、今後の一層のご活躍をお祈り致します。」


という、現実世界であまりに見慣れた文言でした。

なぜ、こんなことになったのでしょうか。

戦争にもルールがある

実は、この異世界には、
現代国際法の戦時国際法(戦争法、武力紛争法とも言う)に酷似したルールが存在し、
すべての軍隊がこのルールを厳格に遵守していたのです。


そもそも「戦争にルールなんてあるのかよ」と思われた方もいるでしょうが、
「戦意がないときは白旗を振る」
という、よく知られたお約束も戦時国際法です。

この戦時国際法によく似た異世界ルールに、
「15歳未満の子供を軍隊に入れちゃいけない」というものがあったので、
14歳の彼は軍隊に入れなかったのです。

リアル世界の国際法と国内法の違い

ざっくりふんわり言いますと、
国内法は違反すると罰則があったり、警察が取り締まったりしますが、
国際法の場合、そうした罰則や取り締まりがない、という違いがあります。

「ザル法じゃん。そんなの真面目に守る奴いるのかよ」と思われるでしょうが、
普通の国であれば、国際社会における世間体とか体面を気にします。

あまりにも国際社会のルールをガン無視して、大っぴらに破りまくっていると、
その国の評判がどんどん低下します。

最悪の場合、
「あの国は国際法を破りまくってる極悪非道な国だ。
正義の味方である俺達がやっつけよう」
と、他国が攻め込んでくる口実になりかねません。

そのため、「普通の国であれば」、
あまり大っぴらに、表だって国際的なルールを破るのはやめておこう、
という気分になります。・・・・・・普通の国であれば。

リアルだとおおむねそんな感じなのですが、この異世界では、
「国際的なルールを順守しなければ、おそろしい呪いが降りかかる」
という強力な魔法がかかっており、
どの国の軍隊もあえて国際ルールに違反しようとはしなかったのでした。

最強キャラなのにコンビニで修業しました

さて、軍隊に入れなかった先ほどの彼は、
仕事も行くあてもなく路頭に迷っていたところを、
親切なコンビニの店長さんに拾ってもらえ、そのコンビニで働くことにしました。
異世界にもコンビニがあるのですね。驚きです。

その店長さんに、
この異世界では15歳以上でないと軍隊に入れないことを教わった彼は、
1年間コンビニで働きました。

初めての接客業に戸惑う彼でしたが、1年間の店員生活を通じて、彼は気がつきます。
このコンビニ修行こそが、勇者となるために最も大事な鍛錬だったのではないかと。

【勇者はレベルが上がった!】
・お客さんの来店時には、明るい声で「いらっしゃいませ」と言えるようになった!
・接客時には笑顔で、待機の際もやわらかな表情でいられるようになった!
・お客さんの問い合わせにも、そつなく対応できるようになった!
・外国語など、言葉の通じないお客さんにも臆さず応対し、笑顔でお見送り出来るようになった!

勇者となるには、ただ肉体的に強く、戦に勝てるというだけでは足りないのです。
それと同じくらい、精神的な面で、勇者にとって不可欠な要素があります。
それは・・・・・・

マスコミ対応力です。

なぜなら、たとえ救国の英雄となろうとも、
マスコミ対応を誤ると、SNSでくそみそに叩かれるからです。

1年の接客修行により、
勇者にはマスコミ対応において大切な「気遣い力」が身につきました。

今の彼ならば、2番目に活躍した勇者がヒーローインタビューを受けていても、
その背後を、カメラへの映り込みを避けて腹這いでそっと移動するような神対応もできます。

あとは、実際にヒーローインタビューを受けるような活躍をするだけです。

勇者は15歳になり、晴れて軍隊に向かいました。

しかし、勇者を待ち受けていたのは・・・・・・

軍隊に入った勇者を待ち受けていたのは、前線には一切出ず、
酒保(※軍隊のコンビニ)で店員をする日々でした・・・・・・。

「いや、入隊試験で、お前の実力はよくわかっているんだ」

と上官は言いました。

「この世界のルール上も、自ら志願するのであれば、
18歳未満でも一応は入隊可能だ。
だがしかし、その場合も、
敵対行為に参加させてはいけないという決まりがあってな・・・・・・。
お前はコンビニスタッフの経験があるから、この配置がふさわしいだろう」

頑張れ勇者! 負けるな勇者! 前線で活躍できるようになるまであと3年だ!

勇者にとって一番大切なことが学べるコンビニとは

勇者として大事なことを学べるコンビニスタッフアルバイト。
実際に伝説の勇者も学んだ・・・・・・かもしれないコンビニが、異世界に存在します。

「L-エンタメ小説」シリーズ第1弾の『もし異世界ファンタジーでコンビニチェーンを経営したら』(KADOKAWA刊)

で、異世界のコンビニ経営にはどんな苦労や喜びがあるのか、ちょっと覗いてみませんか。

参考文献

国際法入門第2版 横田洋三[編](有斐閣アルマ)

ライター プロフィール
和・洋問わず、異世界モノが好き。特に、戦闘シーンや食べ物の表現が魅力的な作品がお気に入り。性格はクールだが、やや天然で、15歳までサンタさんがいると信じきっていた。大学では法学部に在籍し成績は最上位、法科大学院を目指した時期もあったが文筆業に夢中になり今に至る。

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